2011年4月12日火曜日

シップリサイクルのビジネスモデル研究

財団法人日本海事協会は、船主、造船所、舶用機器・部品・材料メーカなど海事関係者のシップリサイクル条約へのスムーズな対応を支援するため、日本アイ・ビー・エム株式会社と共同で、インターネットを経由してサービスを提供するクラウド環境を利用した「船舶有害物質情報管理ソリューション」に関わる研究開発を実施します。

シップリサイクルでは、船の建造、運航、解体等のリサイクルを通じ、材料メーカ、部品メーカ、機器メーカ、造船所、船主、船員、リサイクル施設、関係国、船級協会と多くの当事者が世界中に存在します。2009年5月に採択されたシップリサイクル条約(2009年の船舶の安全かつ環境上適正な再生利用のための香港国際条約)では、インベントリと呼ばれる船内の有害物質の一覧表で有害物質の情報を伝達することで、安全で環境に配慮した船舶の解体作業を目指しています。

本共同研究では、このインベントリをウェブ上で作成段階から解体時の利用に至るまでのすべてのプロセスで関係者が共有することにより、どのような形の当事者の関与が利便性や効率性を増すのかの研究、また、システムが可能とするシップリサイクルのビジネスモデルの調査を行う一方、セキュリティの面など運用上の課題とされる項目について検討を行います。

具体的には、これまで日本海事協会が世界に先駆けてCDにより配布してきたインベントリ作成ソフトPrimeShip-INVENTORYの機能であるインベントリ作成部分について、クラウドを利用したウェブシステムとして構築し、このウェブシステムをモデルとして検討を進めます。

日本海事協会は、世界最大の国際船級協会として、海上における人命と財産の安全確保及び海洋環境の汚染防止のため、最高品質の船級サービスの提供を行うということに加え、船舶海洋技術の中核機関として、多数の海事関係者と共同研究を展開することで、広く海事産業への貢献を図っておりますが、今回の共同研究もこの取組みの一環であります。

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