2011年6月1日水曜日

「仮想化」とは

「仮想化」とは、例えば1台のサーバーをあたかも複数台のサーバーのように機能させたり、逆に、複数のハードディスクを1台のハードディスクのように扱って大容量化したりする技術のことです。

バーチャルという意味を表す「仮想」は、実在しないものを指すことが多いキーワードですが、ITで用いられる場合にはリソースを論理的に分割あるいは結合・多重化する技術の総称をいいます。

企業や団体のIT基盤として注目を浴びているクラウドコンピューティング(以下、クラウド)はこの仮想化技術によって設計され、クラウドと仮想化は切っても切れない関係にあります。

「仮想化」の考え方自体は古くからあり、個人ユーザーレベルでもハードディスクの一部をメモリーの代わりに使用したり、パーティションを設けて分割し仮想的な複数のディスクとして使用したりといった用途がありました。また複数のディスクを一つのディスクに見せるRAID技術も、仮想化技術の一端といえるでしょう。

もともと仮想化技術は、メモリーやハードディスク、またそれらの複合製品であるサーバーといったハードウェアが高価であった時代に、限られたリソースをできるだけ有効活用するために使われてきました。

しかし、ハードウェアの価格が下がってくると、次第にスペック向上のために導入されるようになりました。従来は、一つのサーバーに載せられるのは一つのOSだけで、担う業務の種類も限定されていたのに対し、サーバーを仮想化すると、一つのサーバーに複数のOSを仮想的に並列稼働させることができるようになり、効率的な運用が可能になります。

また、データやアプリケーションの領域も、ストレージの仮想化技術によって柔軟に拡大・縮小が可能になり、運用の稼働までもが軽減されます。

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