Chromeは頻繁にアップデートされるため、どれが新機能と明快には言いにくい面がある。そこでいくつかの注目すべき機能を紹介していく。
次世代ウェブブラウザーのIE9やFirefox 4.0は、HTML5への対応が大きなテーマになっていた。一方Chromeでは、以前のバージョンからHTML5の機能を少しずつ搭載している。例えばHTML5のビデオとオーディオ機能は、「Chrome 4」ですでにサポートしている。しかし動画再生時のGPUアクセラレーションを採用したのは、現在の正式版である「Chrome 10」からだ。
ちなみにChrome 11では、HTML5のビデオ機能からH.264サポートが廃止された。GoogleがH.264の置き換えと狙うWebMコーデックは、Chrome 6から標準搭載されている。
HTML5やCSS3の互換性については、Chrome 11でもいくつかの互換性テストでパスしていない項目がある。段階的にHTML5やCSS3のサポートを向上させているためだ。そもそもHTML5自体、正式版が勧告されるのは2012年3月頃になる。つまりChromeやIE9、FirefoxがサポートしているHTML5は、まだドラフト版というわけだ。HTML5とCSS3のすべての項目をChromeがサポートするのは、おそらく「Chrome 12」以降になるだろう。
HTML5には含まれていないが、Chromeでは3Dグラフィック表示技術の「WebGL」規格をサポートしている(Firefox 4.0も同様)。WebGLは3DグラフィックスAPIのひとつ「OpenGL」を、ウェブブラウザー上でも利用できるようにした規格だ。
WebGLを利用すれば、ウェブブラウザーで簡単に3Dグラフィックの描画が可能になる。JavaScriptでプログラミングできるため、WebGLとJavaScriptを使って、3Dシューティングゲームをウェブブラウザー上で動かす、なんてことも可能だ。GPUドライバーがOpenGLをサポートしていれば、WebGLでGPUアクセラレーションが利用できる。
Chrome 11では、HTML5の音声入力APIにも対応している。このAPIを利用すれば、スマートフォンのAndroidで実現している「音声入力検索」も可能になる。
さらにChrome 11は、「Indexed Database API」(IndexDBとも呼ばれる)にも対応している。この機能は、ウェブブラウザーを動かすクライアント側にデータベースエンジンを置き、ウェブサイト側からクライアント側に保存されているデータベースにアクセスするというものだ。この機能を使えば、クラウドとクライアントをデータベースで有機的に接続して、データをやりとりできる。
IndexDBはFirefox 4.0も対応しているが、IE9は対応していない。しかしマイクロソフトの「HTML5 Lab」では、プロトタイプの実装が公開されている。IE9のアップデートか次期IEになるかはわからないが、いずれ対応されるだろう。
このほかにChromeには、「Firefox Sync」と同じような同期機能が搭載されている。以前のバージョンはGoogleアカウントを利用して、設定情報を複数のChromeで同期させていた程度だった。それがChrome 10以降では、ブックマークや拡張機能、パスワードなども同期するようになった。
改良された同期機能により、使用中のパソコンのChromeと同じ環境を、Chromeをインストールしたばかりの別のパソコンでも利用できる。
0 件のコメント:
コメントを投稿