日本IBMは4月8日、企業向けのパブリック・クラウドサービス「IBM Smart Business Cloud - Enterprise」を、同日に幕張データセンターで提供開始すると発表した。米IBMは4月7日(米国時間)にこれを含むクラウド関連サービスの包括的な発表を行っている。それによるとIBMは今年中にプライベート・クラウドサービスも提供開始する。
Smart Business Cloud - Enterpriseは、2010年11月に発表の「IBM Smart Business 開発&テスト・クラウド・サービス」を機能拡張したIaaSだ。ユーザーは、セルフサービス・ポータルで、まずIBMの世界中のデータセンター(米国2拠点、ドイツ、カナダ、日本)からどのデータセンターを使いたいかを選び、仮想CPU、メモリ、ディスク容量などを選択することで、即座に仮想マシンを作成して利用することが可能。時間当たりの従量課金で、1時間10円(仮想CPU1.25GHz×1、仮想メモリ2GB、仮想ディスク60GB、Windows Server 2003/2008の場合)からという。
これまでの開発&テスト・クラウド・サービスからのおもな機能拡張は次のとおり。
- サービスはこれまで英語のみだったが、日本語を含む9カ国語に対応した。利用料金は、日本でご契約すれば、どのデータセンターを選択しても、日本円でまとめて支払えるようになった。
- 複数の仮想マシンを利用する場合、これらを明示的に、異なる物理サーバ上に分散配置できるようになった。
- 1つの仮想マシンに2つのIPアドレスを割り振ることができるようになった。これにより、インターネット上でサービスを提供する仮想マシン群と、社内向け仮想マシン群を接続する仮想マシンが設定できるようになった。
日本のデータセンターが使えるようになったのも今回が初めて。日本IBMでは、同サービスで、インターネットイニシアティブ(IIJ)のインターネット接続も用意したという。
米IBMは、米国時間4月7日に行ったクラウドサービスに関する発表で、「IBM SmartCloud」というサービス名を使い、「IBM SmartCloud Enterprise」と「IBM SmartCloud Enterprise +」を発表した。
SmartCloud - Enterpriseは日本IBMが発表したSmart Business Cloud - Enterpriseと同一のサービス。LinuxとWindowsの仮想マシンを作成できる。時間課金で、稼働率は99.5%。一方、Enterprise +はLinux、Windows、AIXの仮想マシンを運用可能。月額課金で、稼働率は99.9%。Entrepriseがセルフサービス型なのに対し、Enterprise +は「フル・マネージ」型だという。Enterprise +は今年中に提供を開始するとしている。
0 件のコメント:
コメントを投稿