2011年5月30日月曜日

トヨタとsalesforceの提携にみたビジネスの原点

 トヨタ自動車と米salesforce.comが5月23日、salesforce.comの企業向けソーシャルネットワークサービス(SNS)である「Chatter」をベースに、クルマ向けのSNS「トヨタフレンド」の構築に向けた提携を発表した。

 トヨタフレンドは、人とクルマ、販売店、メーカーをつなぐSNSである。カーライフに必要なさまざまな商品・サービス情報などを利用者に提供するサービスで、例えば電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHV)の電池材料が少ない場合、充電を促す情報をあたかもクルマの「つぶやき」として発信するという。

 さらに、トヨタフレンドは、利用者が指定するプライベートなソーシャルネットワークでありながら、TwitterやFacebookなどの外部のソーシャルサービスとも連携し、家族や友人とのコミュニケーションツールとしても利用可能。これらの情報は、スマートフォンやタブレットPCなど最新の携帯端末を通して提供されるとしている。

 同日、共同会見に臨んだトヨタ自動車の豊田章男社長は今回の提携の意義について、「未来のモビリティ社会におけるクルマには、走る、曲がる、止まるという基本的な価値に加えて、『つながる』という新たな価値が求められるようになる。トヨタフレンドによってそれが実現し、クルマが新しいコミュニケーション空間として利用されるようになる」と語った。

 一方、salesforce.comのマーク・ベニオフCEOも「これからはクルマもモバイルデバイスになって、SNSを利用してさまざまなコミュニケーションが行えるようになる。トヨタフレンドがその先鞭をつけ、クルマがソーシャルネットワークをさらに広げていくようになる」と、ポテンシャルの大きさを強調した。

 両社による今回の提携では、トヨタフレンドの構築に始まり、将来はトヨタ自動車のオープンプラットフォーム領域におけるクラウド構築も視野にあり、長期的にさまざまな分野で両社の特長を生かしたビジネス創出を図っていくことも合意したという。

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