2011年6月2日木曜日

Webマーケティング

Webマーケティングとは、インターネットを活用した宣伝・販売促進などの活動です。消費者ニーズが多様化する中でも、一人ひとりの消費者にきめ細かく商品やサービスを提案できる方法と言われています。

マーケティングのためのメッセージを消費者に伝える媒体として、新聞・雑誌・テレビなどのマスメディアは代表的なものの一つと言えます。マスメディアを使ったマーケティング、いわゆる「マスマーケティング」は広く大衆にメッセージを発信する効果的な手法として認知されていますが、共通のメッセージで多数の消費者に感心を持たせるマスマーケティングは、消費者が共通の関心を持っていなくては大きな効果を発揮するのが難しくなってきます。消費者のライフスタイルが多様化したことで、個々の消費者が必要とするモノやサービスも人それぞれになった結果、不特定多数を対象にしたマーケティングでは多くの消費者の関心を引き寄せることが、徐々に難しくなってきたのです。

ニーズが多様化する中でも消費者の心をつかむ方法の一つは、消費者を生活環境などに応じて分類し、それぞれに適した情報を提供することで消費者の関心にこちらから近づくことです。Webをはじめとしたインターネットは、情報を消費者に提供するだけでなく消費者から情報を受けることもできるため、その双方向性が、生活環境など個々の消費者の属性収集と、それぞれに適した情報の提供を実現しやすくしています。

具体的なWebマーケティングの例として、顧客ごとに専用のWebページを設け、それぞれの顧客の購買履歴に合わせた情報を提供する方法などがあります。最近商品を購入した顧客の画面には「先日は○○のお買い上げありがとうございました」のようなメッセージを表示したり、購入した商品を消費者が使い切る時期を見計らって、同じ商品を案内したりする方法などは、Webマーケティングの典型と言えます。法人向けのサービスを提供している場合は、営業担当者の顔写真やメッセージを掲載してコネクションを保ったり、その顧客向けのディスカウントを案内したりするようなことも効果的でしょう。

またWebマーケティングでは、Webだけでなくメールによる情報提供を組み合わせる方法もあります。顧客に新しい提案を行うタイミングで、Webサイトを更新すると同時に、メールでもその更新内容を配信することで、顧客をWebに呼び込む効果が期待できます。Webマーケティングの実践にはそのシステム構築が必要ですが、システムの機能をインターネット経由で提供する「SaaS」(Software as a Service)形式のWebマーケティングシステムもあります。SaaS形式で提供されるシステムは、多くの場合システムを月極などの料金体系で利用できるため、初期投資の軽減が期待できます。

Webマーケティングのシステムを準備する上で特に注意しなくてはならないのが、個人情報の適切な管理です。Webマーケティングは適切な情報を選んで提供するために顧客の属性を利用する以上、顧客から個人情報を収集し管理しなくてはなりません。個人情報に対する意識が高まる中、その漏洩は顧客と企業双方に大きなダメージを与えます。セキュリティー確保のための、システムの仕組み的な防止策に加えて、担当スタッフへの適切なシステム利用権限付与など、操作ミスなどによる漏洩を防止する工夫も必要でしょう。

どんな顧客にどんな情報を提供するか、そのプランニングとコンテンツ管理も必要になってきます。そのためには、データを分析して意思決定を支援するシステムに加えて、過去対応履歴などを蓄積して検証できるシステムがあると有効になるでしょう。また、WEBマーケティングのツールをつかって、顧客に対してどういう情報を提供しているかを、営業担当者やコールセンターのスタッフと共有することができれば、顧客からの問い合わせへの迅速な対応などリアルの営業活動とのシナジー効果も期待できます。Webマーケティングのシステムを、営業担当者が利用するSFA(Sales Force Automation:営業支援システム)やコールセンターのシステムと連携させた情報共有の仕組みがあれば、こういったことも可能でしょう。

このようにWebマーケティングは情報提供の仕組みだけでなく、そこにさまざまなシステムと組み合わせることで、その導入効果がさらに高まり、可能性が広がることが期待できるでしょう。

0 件のコメント:

コメントを投稿