課題は、「あるコンピューターメーカーが新技術を導入した新型パソコンの開発を3つの段階を踏んで行うことになった。開発に当たり、それぞれの段階で、設計、評価、製作、実験/試験、検証を行い、評価や検証の結果によっては、それぞれの段階の最初に戻って再設計や目標値の変更、原型や試作の改造等を行う、もしくは計画自体を中止するといった選択を行うとした時に、この一連の作業は『演繹』的手法と『帰納』的手法、どちらが必要か」というものでした。
答えですが、設計においては、目標達成のために様々な方法を組み合わせ最良の方法を構築したり、必要なものが使えないときはそれに代替する方法を既存の手法の組み合わせで構築するような、演繹的な思考能力が必要です。
評価や検証においては、様々な事例を想定もしくは確認して設計の問題点と改善点を指摘できるような帰納的な思考能力が必要になるでしょう。つまり、このような作業には理論構築とその検証といった、演繹と帰納の相互検証が重大な意味を持つと言えます。
さて、今回は「仮説思考」についてご紹介したいと思います。日本ではかなり言い古された言葉ですが「仮説を立ててから営業に出る」というのは、営業パーソンの基礎になりつつありますね。例えば、コピー機販売の営業パーソンでしたら、「○○会社は、5年前にシンガポールに進出してきた販社で、現在従業員数15名」という情報から仮説を立ててお客様訪問をしているでしょう。
「仮説思考のプロセス」とは以下の流れをさします。
コピー機販売の営業パーソンが、先ほどの情報から、「今使っているコピー機ではそろそろスピード・コスト的に問題が出て、買い替えを考えていらっしゃるのではないか」という仮説を立てたとします。次に、この仮説で購入を決めてもらえる情報を収集します。例えば、過去6か月間のコピー量をはじき出し、モデルをアップグレードすると、コスト・スピード・ファンクションの面でどういう改善が期待できるかを、グラフや表にして書きだすのも一つでしょう。
これはほんの一例ですが、仕事上手といわれる人は、仮説を立て、それを立証できる情報の収集と結論への収束が上手な人、と言い変えることができるかもしれません。
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