帰納法とは、複数の現象に共通する因子に着目して、結論を導き出そうという論理展開法のことです。A=X、B=X、C=Xというように、複数の現象に共通する因子が含まれている場合に「すべてXである」と結論づけます。
例をあげてみると以下のようになります。
帰納法の欠点は、全現象を網羅するか、それと同等の論理証明をしない限り、帰納した結論(帰結)は必ずしも確実な真理ではなく、ある程度の確率を持ったものに過ぎないことです。いくら現象をあげても、現象の集合が不完全である限り、それは正しい確率が高いものにしかなりません。
さて、ここで問題です。
あるコンピューターメーカーが新技術を導入した新型パソコンの開発を以下のような段階を踏んで行うことにしました。
- 第一段階:原型
既存の技術と新技術との組み合わせの実験と、新技術の実際の程度と問題点の確認 - 第二段階:試作
原型の問題点改善、操作性や耐久性、実用性といった各種要素の試験 - 第三段階:量産型
試作の問題点改善、性能不足部分の高性能化、量産のための簡略化、オーバースペックな部分の低品質化によるコストダウン
開発に当たっては、それぞれの段階において、設計、評価、製作、実験/試験、検証といった過程を経て開発を行い、評価や検証の結果によっては、それぞれの段階の最初に戻って再設計や目標値の変更、原型や試作の改造等を行う、もしくは計画自体を中止するといった選択を行うとしました。
さて、この一連の作業に対して、前回お話しした「演繹」的手法と今回の「帰納」的手法、どちらが必要となってくるでしょうか。
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