2011年4月4日月曜日

クリティカル・シンキング

クリティカル・シンキングとは、平易に言ってしまえば、「論理的かつ構造的に考えること」と言えます。

直訳すれば「批判的に考える」となりますが、ここで批判の対象になっているのは、一旦何でしょうか。もちろん、他人の意見や、本・新聞に出ているたくさんの方々のコメントについて批判的に考えるのも、大切ですが、まずは、自分自身の考えについて、批判的に考えてみることから始めてみましょう。

言いかえると、自分がきちんと論理的・構造的に物事を考えているかをチェック(批判)しながら思考を進めていくことを始めてみよう、というのが今回の趣旨です。

STEP1:目的や前提を明確にする

これは、ロジカルシンキングの中でもお話したと思いますが、なにはなくとも、まず取らなくてはならないステップです。もし、話している相手の目的や前提を理解せずにどんどん話を進めてしまうと、最終的にまったく違ったアウトプットになることが容易に想像できます。

STEP2:「それって本当?」という質問を常に自身に投げかける

例えば、こんな例はいかがでしょうか。このシナリオにあなたが接した時に、どういう質問を自身に投げかけますか?

あなたは30歳のマーケテイング部の課長です。新卒で入社して8年目、毎日日々起こる業務に追われて残業ばかりの毎日です。

マーケテイング部の課長としての仕事の進め方や基本的な部下の指導方法は、一通り覚えたと思っていますが、毎日目の前の仕事をただこなしているような状況で、ちょっと閉塞感を感じています。将来のためにも何か新しいことをしたいと思っていますが、何をしたらいいのかよく分からない、そんなときに、部長からこんな助言をもらいました。

「これからは、MBAの知識を持っていないと、なかなか面白いマーケテイング戦略は打てないかもなあ。となりの部の田中君も先日MBAを修了したっていうぞ。何かやりたいのなら、○○大学のビジネススクールに通ってMBAを取ってみたらどうだろうか」

さて、あなたはMBAを取るべきでしょうか。

さて、如何ですか? 出てくると予想される答えは以下の2つかと思います。

  1. 思考停止状態:「情報が少なくて判断不可」

通常こういう質問を投げかけた時に一番多い答えは、「情報が少なくて判断できない」です。実は、これは思考停止状態といい、クリティカルシンキングを鍛錬したい人はやるべきではないことの1つと言われています。情報が少ないと思うなら、次にこんな風に考えてはどうでしょう。「あとどんな情報があれば判断できるかなぁ」。いくつか前提や仮定をおき「もしこの条件ならYESだけど、この状況ならNOだなぁ」という風に、判断基準と枠組みを考え始めてみることがクリティカルシンキングの第一歩です。

  1. 問題解決直結状態:「YES、取るべき」、あるいは「NO、取るべきでない」

ここで、一歩後ろに下がって全体像を一緒に見るときに使えるおまじないの言葉そもそもを使って考えましょう。

確かにこの課題の最後に「MBAをとるべきか」と書きましたが、ここで「ん?」と考えるべきは、「そもそもMBAを取るというのが真の目的なのか?」ということですね。

自分がそもそも今直面している問題は何なのかを再考すると、実は「MBAを取る」というのは、「ちょっと閉塞感を感じ、将来のためにも何か新しいことをしたいと思っている現状を打破するための手段の1つである」という理解ができるはずです。

このように、自分が直面している問題そのものをまず「そもそも」と疑い、何のためにこの問題を考えているのかを明らかにすることが、前回書いたSTEP1:「目的や前提を明確にする」ということです。根本的な目的を見失うと、なかなか本質的な解決に至らないこともありえます。

どんなに理路整然と考えた答えであっても、そもそも目的に合っていない答えだったら、無意味ですね。そもそもを使って、「目的や前提を明確にする」ことを常に自身に問う癖をつけてみてください。

 

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