2011年6月6日月曜日

人間は100%ミスをする、だから原発事故はなくならない

自動車、鉄道、船、飛行機。いずれを取っても事故はゼロではない。どんな対策を練っても、永久にゼロにすることは不可能だ。それらの事故は一定の割合で確実に発生している。

 事故はそれだけではない。ユッケ肉事件などに象徴されるように、食の分野でもなくならない。季節になれば毎年、フグ中毒やキノコ中毒で死者が出たとニュースが流れる。電気製品や機械の使用を誤っての事故など、意図しなくてもミスによる事故は身の回りにあふれている。

 比較的最近に登場したコンピューターではどうだろう。ホームページの更新をしたことがある人なら分かるはずだ。専用のHTML言語を正しくいじったはずなのに表示されない。あらゆる可能性を試したが、やはり表示されない。「こいつ(コンピューター)、絶対におかしいよ!」と毒づいてみるが、結局は人間の負けだ。コンピューターはバカ正直で人間様の言われた通り、素直に動いている。どこかに人間による入力ミスがあるから表示されないのだ。

 震災後に日本を代表するメガバンク、みずほフィナンシャルグループがシステムトラブルを起こし、トップが交代するに及んだ。会社側は義援金の申し込みが想定を超えていたと説明したが、少なくともほかのメガバンクでは起こっていない。想定するのも人間、あらかじめ準備をしておくのも人間だ。そこでミスが起こっていて、トラブルにつながっている。さらには事後の対応ミスがトラブルを拡大した。すべて人間のせいだ。

 「あの人は完璧だなあ」と思える人に巡り合ったことはあるが、「100%ミスをしたことがない人に出会ったことがあるか」と聞かれたら、答えはノーだ。人間はミスをする生き物だ。そして、世の中の事故は、自然"災害"を除けばすべて人間が引き起こしているのだ。

 JR西日本が引き起こした福知山線の脱線事故(2005年)の例が分かりやすい。事故後に同社は反省してATS(自動列車停止装置)というシステムを導入したが、ミスはなくならなかった。システムのスイッチを切ってしまう人や無視する人がいたからだ。

 完璧なサイボーグを作ればいい。それを一体誰が作るの? 人間? どんなに100%完璧なシステムを用意できたとしても、人間がボタンを押す限りミスと事故はなくならない。かといって人間がボタンを押さない限りはコンピューターも動かない。結局世の中からミスと事故はなくならないのだ。

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