2011年5月31日火曜日

「在宅勤務」に不安を覚える日本の会社員

 ウイークデーの昼日中、30〜40代くらいの男性が住宅街をウロウロしていれば不審者に間違えられかねない。知っている人にでも会えば、「あれ、リストラされたのか」などとあらぬ疑いをかけられることになる。

 つまり日本では、ウイークデーに働き盛りの男性が住宅街にいてはならぬのが「常識」なのだ。どこにいなければならぬのかと言えば、「会社」である。ウイークデーの昼日中には働き盛りの男性は、すべからく会社で仕事をしていなければならない、これが日本の常識なのだ。

 この常識が邪魔してなかなか普及しないのが「在宅勤務」である。「周りの目が気になって、昼飯を買いにも出にくいんですよ」と、週に2日ほど在宅勤務をしている男性は苦笑まじりに言ったものだ。

 かつては、自宅で仕事をするとなると、資料を会社から持ち出したりしなければならないので面倒だった。セキュリティーの面からも問題が多かった。

 しかし最近は、製造現場以外なら、かなりの仕事がパソコンでやれてしまう。むしろ、パソコンを使わなければできない仕事の方が多かったりする。インターネットが普及している現在、ネット環境さえ整っていれば、どこでも仕事はできるわけだ。セキュリティー技術も向上していることから、それなりの対策を取れば、会社であろうが自宅であろうが問題はない。

 それでも、在宅勤務はさほど一般的な制度になっていない。

 在宅勤務がパソコンを最大限に利用する勤務形態であるところから「テレワーク」とも呼ばれており、これを普及させる目的で「日本テレワーク協会」なる団体まで設立されている。

 その日本テレワーク協会が発行している『テレワーク白書 2009』の調査結果によれば、テレワークを導入していない企業は68.3%に上っている。営業など外出先にパソコンを持ち歩いて業務処理をする「モバイル勤務」だけを実施している企業は18.6%、在宅勤務だけを実施している企業は4.8%、在宅勤務とモバイル勤務の両方を導入している企業は8.3%にすぎない。

 この調査は上場企業3960社、売り上げ規模の大きな非上場企業1040社、計5000社を対象に行われている。いわゆる「大手」が調査対象なのだ。

 テレワーク=在宅勤務にはセキュリティーを含め、それなりの環境整備が必要になるので、やはり大手の方が導入しやすい。にもかかわらず70%近くが導入していないのだ。

 さらに同調査で、導入していない企業の76.8%までが「導入の予定なし」と答えている。在宅勤務について日本の企業がかなり消極的であることは、この調査だけでも分かる。

 なぜ消極的なのか。

 パナソニックは在宅勤務に積極的な企業の1つである。同社では在宅勤務を「e-Work」と呼び、2006年1月にe-Work推進室を置いて導入に努めている。

 しかし、思った以上に普及していない。同社のホワイトカラーは3万5000人いるが、すでに7000人以上が在宅勤務を経験している。7000人という数だけ見ると多そうだが、全体の2割でしかない。

 その2割も、推進室が音頭を取って「強制的」に経験させた結果だ。「今月はこの部署から何人」といった具合に指示し、それで実行させた結果である。それくらいやらないと、個人の意思で積極的にやってみようという従業員は少ない。それでも2割でしかない。

 在宅勤務にメリットがないから、やりたがらないわけではない。経験してみた従業員の8割までが「効率よく仕事ができた」と答えているのだ。にもかかわらず、それ以後、在宅勤務を続けているかと言えば、大半は「1度きりの経験」で終わってしまっている。

 7000人のうち大半が「1度きりの経験」でしかないのが実態なのだ。在宅勤務のメリットは感じながらも、それを引き続き利用しているのは少数派でしかない。

 在宅勤務をしない理由として、「住環境」を挙げる人が多いという。書斎はあこがれの空間だが、それだけのスペースを確保できる恵まれた住環境にある人は多くない。仕事するスペースがないから在宅勤務できない、というわけだ。

 しかし、パソコン1台が置けるスペースさえあれば仕事はできる。食事をするテーブルだって、仕事するには十分なのだ。役員クラスなら個室があるのだろうが、一般の従業員では社内の専用スペースといえば机1個分でしかないのだから、家の食卓の方が広いスペースを確保できるはずなのだ。

 在宅勤務ができない理由を住環境とするのは、「言い訳」に過ぎないことになる。現在ではインターネット環境にない家が珍しいくらいだから、インフラも在宅勤務をやらない理由にはならない。

 企業側も積極的に勧めるし、仕事の効率もいい、満員電車でもみくちゃにされることもない。考えれば「いいこと」だらけの在宅勤務なのに、なぜ多くの人が消極的なのか。

 パナソニックe-Work推進室の永木浩子室長に、在宅勤務の利用が進まないことについて聞いたことがある。それに彼女は「意識の問題です。『会社で遅くまでやっていれば頑張っていると評価される、上司にもかわいがってもらえる』という先入観が強すぎるからなんです」と答えた。

 日本の企業は「家族主義」と言われるほど「仲間意識」を大事にしてきた。「家族の一員である、仲間である」という意識が企業への帰属意識を高めて、従業員の能力を発揮させることができる、という考えが基本にあった。それが、ある時期に成功したことは事実だ。

 家族・仲間であるためには、「働いている姿を見せる」ことが要求された。家族であり仲間であることを示すには、とりあえず視認し合うことが大事だったのだ。

 そこに大きな意味があることを否定はしない。しかし、良い面ばかりではないのも事実だ。「会社に行くのが仕事」になりかねないことも、その1つである。

 会社に行きさえすれば、たとえボーッとしていても「仕事している」と「錯覚」してもらえる。管理職も、部下が何の仕事をしているのか正確に把握していなくても、目の前で何やらやっている姿を見ていれば、部下を管理するという自分の仕事を果たしていると「誤解」してしまうのだ。

 これでは効率が悪い。悪いが、足りない部分は誰かがカバーすることによって組織は動く。誰かがカバーすることを前提にしているのが日本的経営と言える。

 こういう仕事の仕方に慣れてきたのだから、出社しないことに不安を感じるのも無理はない。「家で仕事していると、サボっているのではと思われないかと不安になる」とパナソニックの在宅勤務経験者は語った。

 そんな不安を感じるくらいなら、満員電車くらいは我慢できるし、効率的でなくても狭っくるしいデスクの方がいい、となるのだ。「一緒にいること」に重きを置いてきた日本的経営が、在宅勤務普及の大きな障害になっているのだ。

 さらに在宅勤務普及を阻んでいる大きな理由として、「評価制度」の整っていないことが挙げられる。

 前述したように家族主義的な日本的経営の特徴は、足りない部分を誰かがカバーする「助け合い」にある。その中では、誰が何をするか、それをどう評価するか、それが曖昧なままにされている。

 きっちり役割が決められ、それに対する評価の仕方も決まっていれば、責任が追及されることになる。助ける前に責任を追及するということになるのだ。それでは「和」が保たれず、家族主義的な結束力が生まれない。

 だから、あやふやな役割と評価が日本では定着してしまった。それでも、みんなが集まって、組織として仕事が前に進めばよし、とされてきたのだ。仕事をした気にもなれる。

 在宅勤務になると、これでは困る。やるべきことがはっきりしていないので、何をやっていいか分からない。会社にいれば感じなくても、家にいてボーッとしていれば仕事をしていないことを実感しないわけにはいかない。これでは在宅勤務する意味がない。

 何をやらせるかがはっきりしていないのだから、評価するにも困ってしまう。目の前にいないので、「あいつは本当に仕事しているのか?」という考えが先に立ってしまう。これでは、誰も在宅勤務をしたがらないし、やらせたくもなくなる。だから、日本では在宅勤務がなかなか広まっていかないのだ。

 やるべき仕事が明確になり、それに対する評価がはっきりしていれば、どこで仕事をしていても同じことだ。在宅勤務ももっと普及するはずである。それで、仕事の効率も上がる。ムダに群れる必要もなくなる。それには、家=会社に縛りたがり、縛られたがる意識そのものを変えていくしかない。

BCPに関連して想定外に対応するのが経営者

最も重要なのはBCPでは想定していなかった事態に直面した時に、経営者が合理的な意思決定を迅速に行うことである。そのために平時に経営者を対象とした訓練を行わなければならない。

 こうしたトレーニングを実施している企業はそう多くはない。これでは、有事の際に想定外の事案に対し合理的な経営判断を行うための素地を経営者は養えない。また事前に策定したBCPや危機管理体制の有効性を検証することもできない。

 有事の際の経営判断に必要なネガティブ情報が経営トップまで早く正確に伝達されるか。トップは伝達された情報を基にどのように判断を行うのか。

 要となる経営陣を抜きにして、社員や現場を対象に訓練しても、いざという時に合理的な対応ができるかは疑問である。

 では、どのようなトレーニングを行うべきか。一般的には、社長をはじめとした役員全員を対象にするが、企業グループにおける危機管理体制の構築は親会社の取締役の義務であると会社法に規定されたことを考慮すると、子会社の役員も参加してグループで定期的に実施するのが望ましい。

 トレーニングではまず、地震などの自然災害や新型インフルエンザの流行、個人情報の大量流出などの不祥事、製造物責任にかかわる事故などが自社において発生したと想定する。

 現場責任者が事実確認や原因究明などの初期対応を行うとともに、社長に事態を報告する。社長は事態がどれだけ深刻かを判定し、緊急事態だと判断したら、危機対策本部の設置を決めてメンバーを招集する。

 社長は危機対策本部長として基本方針を決め、対策本部のメンバーは方針に基づいて個々の施策を実施する。個々の施策とは被害者、行政、取引先、顧客、株主、マスコミ対応、社内における情報管理などである。

 社長は個々の施策の経過や結果の報告を受け、事態の進展に応じてその都度、対応を指示する。記者会見が必要かどうかは社長が判断する。会見を開く場合には、誰がいつ、どのような形式で行うのかを検討し、模擬会見を実施する。

 さらに社長は、事前に策定したBCPの規定に基づいて、事業の再開を目指して対策を打っていく。

 ここまでの一連のシミュレーションに要する時間は5時間ほどだ。ポイントは、トレーニングを計画する事務局が、リアリティーのあるシナリオを作ることである。参加者が「これはあくまで訓練だから」という気持ちで臨むと、効果は半減してしまう。

 題材となるクライシスは、自社において発生確率が高い優先リスクを選び、事態の推移にもリアリティーを持たせる。トレーニングの際には、資料やクライシスについて報じた仮想記事などをモニターに映し出して、参加者に状況を説明するが、資料には実際に業務で使用している文書の様式を採用するなど、徹底してリアリティーを追求することが求められる。

Microsoft、タブレット向け『Windows 8』を発表へ

報道によると、Microsoft は『iPad』などのタブレット PC への対抗策を、31日に開幕する『D: All Things Digital』カンファレンス (D9) で披露する準備を進めているという。

D9 では、6月1日午前に Microsoft で『Windows』および『Windows Live』部門のプレジデントを務める Steven Sinofsky 氏が、NVIDIA 製『ARM』系プロセッサファミリ『Tegra』上で動作する開発中のシステムを披露する予定だ。Bloomberg のニュースサービスは、Microsoft の計画を知る匿名の3人から情報を得たとして、この話を26日に確認したと報じている。

タブレット PC 上で動作する ARM 版『Windows 8』を Sinofsky 氏が D9 で披露するという噂は、技術系 Blog『WinRumors』が23日に伝えている。

Microsoft は24日にニューヨークで開催したイベントにおいて、『Windows Phone 7』(WP7) の次期アップデート版『Mango』(開発コード名) についても同じようなお披露目を行なっており、500もの新機能が加わる予定だと述べている。

一方、Bloomberg によると、Microsoft の OEM 部門バイスプレジデントを務める Steven Guggenheimer 氏も、台湾で開催されるイベント『COMPUTEX TAIPEI 2011』において、ARM タブレット上で動作する Windows 8 のデモを行なう予定だという。

ARM 系 CPU は、スマートフォン用のプロセッサとして圧倒的に多く利用されており、Google の『Android』システムの基盤にもなっている。

Microsoft は、タブレット PC 市場において後手に回っていると各方面から見られており、すでに第2世代に入っている Apple の人気製品『iPad』にかなり後れを取っている。

GoogleのURLを使う詐欺サイトが見つかる

 ワープロやスプレッドシートなどの文書を作成・公開できる「Google Docs」のサービスを悪用し、Googleのサーバ上でフィッシング詐欺サイトが運営されるケースが多発していると、セキュリティ企業のF-Secureがブログで伝えた。

 Google Docsで作成した文書やスプレッドシートなどは、Googleのクラウドに保存され、スプレッドシートなら「spreadsheets.google.com」というURLを使って公開される。ところがF-Secureによれば、この仕組みを使ったフィッシング詐欺サイトが頻繁に見つかるという。

 そうした詐欺サイトの実例として同社は、Webメールのアカウント情報更新やバグ報告などに見せかけて個人情報を入力させようとするフィッシング詐欺の画面をブログに掲載した。手口は非常に巧妙で、google.comのURLと有効なSSL証明書を使って詐欺サイトと判別しにくくしたものもある。

 F-Secureはこの問題について調べている過程で、Google Voiceのアカウント移転申請用のフォームを発見。このフォームが一般公開用の「spreadsheets.google.com」でホスティングされていること、Google Voiceの番号や暗証番号などを入力させる仕様になっていることなどから、「当初はこれもフィッシング詐欺ではないかとの疑いを持った」(同社)という。Twitterで意見を募ったところ、やはり詐欺ページだろうと見る読者が多かった。

 しかしその後、GoogleからF-Secureに連絡があり、このページはGoogleの公式なフォームだったことが判明したという。さらに「このフォームについて言及した部分をブログから削除してほしいと言われた」とも明かした。F-Secureはこの要請には応じられないとして、同フォームの掲載を続けている。

ソーシャルメディアマーケティングを支援する3つのForce.comアプリケーション

FacebookTwitterSalesforce CRMで管理する

Salesforce for Twitter and Facebookv4

 

名称

Salesforce for Twitter and Facebook v4

提供元

Force.com Labs2010715日)

価格

無償

言語

英語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、日本語、韓国語、ロシア語、スペイン語、オランダ語、スウェーデン語、フィンランド語、タイ語、ポルトガル語、中国語

Salesforce組織条件

Professional Edition以上

 

 「Salesforce for Twitter and Facebookv4)」(旧名称:Salesforce for Twitter 2)はTwitterFacebookSalesforce CRMと接続し、以下をSalesforce CRMで直接行うことができるアプリケーションだ。

  • TwitterFacebookでの自社の風評のモニタリング
  • 顧客とのリアルタイムなコミュニケーション
  • 自社ブランドのプロモーション
  • TwitterFacebookでのユーザー動向分析

 TwitterFacebookSalesforce CRMとの接続にはOAuthが使われており、セットアップ時にTwitterFacebookアカウントの入力画面を表示する。初回の認証後はトークンを利用して自動的に連携を実行する。

 

 

LinkedInSalesforce CRMを連携する

Social Salesforce using LinkedIn Company Insider

 

名称

Social Salesforce using LinkedIn Company Insider

提供元

Force.com Labs2010715日)

価格

無償

言語

英語

Salesforce組織条件

Group Edition以上

 

 「Social Salesforce using LinkedIn Company Insider」は、SNSLinkedIn」とSalesforce CRMを連携するアプリケーションだ(具体的にはLinkedInのウィジェットの1つである「Company Insider Widget」とSalesforce CRMを連携する)。LinkedInは求人や商談のビジネスマッチングに特化したSNSであり、その性質上、企業情報や従業員情報が非常に整理されている。それらの情報をSalesforce CRMの取引先情報と連携してしまおうというのがこのアプリケーション利用の目的となる。

 

ソーシャルメディアモニタリングツールとCRMを連携する

Radian6 Sales and Lead Generation

 

名称

Radian6 Sales and Lead Generation

提供元

Radian62009年)

価格

有償(月額600ドルから)

言語

英語

Salesforce組織条件

Enterprise Edition以上

 

 Salesforce.com20113月にソーシャルメディアモニタリングツールを開発するRadian6を買収したのは記憶に新しい。2011年中には「Radian6 for Salesforce」というソリューションをAppExchangeにリリースすると発表しているが、その内容はまだ明かされていない。それとは別に、Radian62009年からSalesforce CRMとの連携ソリューション「Radian6 Sales and Lead Generation」を提供している。

 

連続通信約9時間、タフな小型WiMAXモバイルルーター

 シンセイコーポレーションから登場した「URoad-8000」は、約9時間という長時間通信を可能にしたWiMAXモバイルルーターだ。実際の連続通信時間を含め、その実力を検証してみた。

 内蔵単体バッテリーでの連続通信時間において、これまでのモバイルルーターの中では圧倒的な優位を誇ってきたNECアクセステクニカのAterm WM3500R。その存在を脅かす製品がようやく登場してきた。シンセイコーポレーションの「URoad-8000」だ。
 幅91×奥行き57×高さ20.4mmでバッテリー込みで98gと、非常にコンパクトなWiMAX対応のモバイルルーターだが、3.7V/2300mAという大容量のリチウムイオンバッテリーを搭載しており、最大約9時間という連続通信時間を実現している。
 現状、モバイルルーターを選ぶ基準として、稼働時間(連続通信時間)は非常に大きなウェイトを占める。これを考慮すると、現状、最長クラスの連続駆動時間を実現した本製品は、今後のモバイルルーターの主流となり得る可能性を秘めた製品と言っていいだろう。
 もちろん、またたく間に進化する現在の状況を考えると、10時間を越えるような製品が登場してくるのも時間の問題かもしれないが、本製品で評価したいのは、9時間という連続駆動時間を前述したような100gを切るコンパクトな筐体で実現している点だ。
 本体は角を丸めたやわらかなイメージのデザインとなっており、手のひらに完全に収まる非常にコンパクトなサイズとなっている。いわゆるポケットサイズの製品というのは、このジャンルの製品には珍しく無いが、本製品の場合、ポケットに入れたとしても、そのスペースを占有することなく、ズボンなどのポケットの底の隅に控え目に「ちょこん」と収まるようなイメージとなっている。
 このため、実際にジーンズのポケットに入れて持ち歩いたとしても、その存在はほとんど気にならないし、座ったり立ったりを繰り返しても邪魔に感じるようなことがない。
 大容量バッテリーのおかげで、厚みが20mm近くあるため、ポケットに入れたときなどの膨らみは気になるが、持ち運びを考えると、このサイズは絶妙と言って良いだろう。
 単に連続通信時間を延ばすだけなら、サイズや重量を無視して大容量のバッテリーを搭載すれば済む話だが、本製品では、きちんと持ち運びを考慮しながら、バッテリー容量が拡大されている。この点は高く評価したいところだ。

 このように、「URoad-8000」は、バッテリー駆動時間を考えると非常に優秀な製品と言えるが、いくつか注意が必要な点もある。
 まず、無線LANの規格がIEEE802.11b/gのみとなる。WiMAXの実効速度を考えると最大54MbpsのIE
 続いては、電源操作についてだ。一般的なモバイルルーターの場合、一定時間無通信の状態が続くと電源を自動的にオフにする機能が搭載されているが、本製品では、こういった制御機能はない。一旦、電源をオンにすると、自分で電源をオフにするか、バッテリー切れになるまで電源は常にオンのままとなる。
 実際にモバイルルーターを持ち歩くと、スマートフォンやPCを使う度に電源を入れる操作が面倒なので、使い勝手としては常にオンの方が良いうえ、実際、オンのまま使っても9時間以上バッテリーが持つので全く問題ないのだが、やはり電源をオフにし忘れてムダにバッテリーを消費してしまうことがたまにある。
 バッテリー駆動時間を考えると、他社製のルーターほど細かく制御する必要はないので、無通信時間が1時間続いたら電源を切るなど、電源の切り忘れを防止するための機能くらいはあると助かったところだ。
 また、これも基本的に常に電源オンで使う場合は気にならないのだが、電源を入れてから通信可能になるまでに1分近く時間がかかる。この時間も、もう少し、短くなるとありがたいところだ。

 以上、シンセイコーポレーションのWiMAX対応モバイルルーター「URoad-8000」を試してみたが、カタログ通りの長時間駆動を実現しており、とにかくバッテリーを気にせず使いたいユーザーには、おすすめできる製品となっている。
 ただし、直接的なライバルとなるAterm WR3500Rと比べると、無線LANの規格やクレードルの有無(有線LAN対応)などで劣る部分もある。外出先での優位性はURoad-8000が上だが、オフィスや自宅で使う場合などを考慮すると、ライバルに比べて、まだ工夫の余地が残されている印象だ。
 今後、モバイルルーターのバッテリー駆動時間はまだ延びる可能性もあるが、サイズや重量を考えると、今後は単純な容量の増加だけに頼らない工夫が必要になってくると思われる。賢い省電力機能や素早い電源のオン/オフなど、限られたバッテリー容量をうまく使う工夫も求められてくるだろう。
 また、スマートフォンのテザリング対応によってモバイルルーターの存在意義も問われつつあるが、テザリングの場合、バッテリーを使い切ってしまったときに、メールや電話まで使えなくなってしまうため、まだまだモバイルルーターの需要はあると考える。むしろ、テザリングとの違いを明確に出せるようなモバイルルーターが登場してくることを期待したいところだ。

ソフトバンクテレコムと韓国KTがデータセンター事業で合弁

 ソフトバンクテレコムと韓国大手通信事業者のKTは2011年5月30日、データセンターサービスやクラウドサービスを運営する合弁会社「ktSB Data Services」(仮称)を、9月に韓国で設立すると発表した。出資比率はKTが51%、ソフトバンクテレコムが49%。
 東日本大震災を受け、データのバックアップ先を分散させたいという企業のニーズが高まっていることから、韓国にデータセンターを用意する。具体的には、新設の釜山データセンターを10月に稼働させ、コロケーションやホスティング、バックアップ、VDI(仮想デスクトップ・インフラストラクチャ)といったサービスを順次提供していく。ユーザー企業のサポート窓口は、ソフトバンクテレコムが担当する。
 ソフトバンクテレコムの孫正義代表取締役社長兼CEO(最高経営責任者)は記者会見で、「国内データセンターの延床面積のうち約7割が首都圏に集中しており、ユーザー企業の約8割が遠隔地にバックアップ拠点を持っていない」と説明した。さらに、「広域災害の影響を受けずに事業を継続していくためには、国内と海外の2系統でバックアップ体制を用意することが重要」と指摘。その上で、日本企業の海外におけるデータセンター拠点として「日本からアクセスしやすく、電気料金が安く、ICTの先進国である韓国が最適と判断した」という。
 なおソフトバンクテレコムとKTは、ktSBの設立に先行して、コロケーションなどのデータセンターサービスをKTのインフラを利用して7月から日本企業向けに始める予定である。

2011年5月30日月曜日

Webブラウザのアドレスバーは不要? Chrome最新版きっかけに議論

 Googleは先に開発版「Chrome 13」をリリースしたが、このバージョンではURLが表示されるアドレスバーを完全に隠すことができる。URLを見たいときは、タブをクリックするとアドレスバーが現れる。

 これを受けてMozillaは、アドレスバーを含めたツールバーを隠すFirefoxアドオン「LessChrome
HD」をリリースした。隠れたツールバーはタブにカーソルを合わせると表示される。 こうした動きから、アドレスバーを隠す機能がブラウザのトレンドになるのではないかとの声が一部で上がっている。アドレスバーを非表示にすれば、Webページを表示するスペースが広がる。これはNetbookやタブレットなど、PCよりも画面が小さなデバイスでは重要だ。さらに「目指すサイトにたどりついたら、そのアドレスをずっと表示しておく必要はない」とITニュースサイトCONCEIVABLYTECHは指摘している。 とはいえ、アドレスバーを隠すことに誰もが賛成というわけではない。URLが見えないことで、フィッシングサイトを見分けにくくなるため、セキュリティ上好ましくないという意見もある。 アドオン開発企業Salsita Softwareのマシュー・ガートナー氏は、アドレスバーを隠せば、どのページを見ているのか分かりにくくなり、ほかのページへの移動が難しくなると主張している。ただし同氏はこの機能に反対しているわけではなく、作業によってはアドレスバーが見えないほうがいいという考えだ。活発にWebサーフィンをして調べ物をする場合はアドレスバーが重要になるが、Webメールを読むだけなら不要だ。「ブラウザベンダーが作業によって異なるUIを提供するようになれば、従来のUIウィジェットのどれが必要なのか、どれをキープするかを賢明に決定ができるようになる」

トヨタとsalesforceの提携にみたビジネスの原点

 トヨタ自動車と米salesforce.comが5月23日、salesforce.comの企業向けソーシャルネットワークサービス(SNS)である「Chatter」をベースに、クルマ向けのSNS「トヨタフレンド」の構築に向けた提携を発表した。

 トヨタフレンドは、人とクルマ、販売店、メーカーをつなぐSNSである。カーライフに必要なさまざまな商品・サービス情報などを利用者に提供するサービスで、例えば電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHV)の電池材料が少ない場合、充電を促す情報をあたかもクルマの「つぶやき」として発信するという。

 さらに、トヨタフレンドは、利用者が指定するプライベートなソーシャルネットワークでありながら、TwitterやFacebookなどの外部のソーシャルサービスとも連携し、家族や友人とのコミュニケーションツールとしても利用可能。これらの情報は、スマートフォンやタブレットPCなど最新の携帯端末を通して提供されるとしている。

 同日、共同会見に臨んだトヨタ自動車の豊田章男社長は今回の提携の意義について、「未来のモビリティ社会におけるクルマには、走る、曲がる、止まるという基本的な価値に加えて、『つながる』という新たな価値が求められるようになる。トヨタフレンドによってそれが実現し、クルマが新しいコミュニケーション空間として利用されるようになる」と語った。

 一方、salesforce.comのマーク・ベニオフCEOも「これからはクルマもモバイルデバイスになって、SNSを利用してさまざまなコミュニケーションが行えるようになる。トヨタフレンドがその先鞭をつけ、クルマがソーシャルネットワークをさらに広げていくようになる」と、ポテンシャルの大きさを強調した。

 両社による今回の提携では、トヨタフレンドの構築に始まり、将来はトヨタ自動車のオープンプラットフォーム領域におけるクラウド構築も視野にあり、長期的にさまざまな分野で両社の特長を生かしたビジネス創出を図っていくことも合意したという。

「Skypeは真剣に考えるべき存在」になった

 Skypeはこれまで、"コンシューマー専用"という世間のイメージを変えようと努め、エンタープライズ分野に足掛かりを築いてきた。一方、ユニファイドコミュニケーション(UC)の専門家は受け入れに二の足を踏み、エンタープライズSkypeの採用を避けるべき理由として、品質、安定性、セキュリティ、サポートなどの不安を常に口にしてきた(参考:モバイルワーカーのSkype利用は是か非か)。しかしこの状況は、Microsoftが85億ドルでSkypeを買収したことにより、劇的に変化しそうだ。

 これまでは懐疑的だった企業も、エンタープライズUCにおけるMicrosoftの影響力のおかげで、インターネットVoIP/ビデオ会議ツール提供企業としてのSkypeにあらためて目を向けている。

 アシシュ・クドシア氏は、インドにいる両親との音声通話やテレビ電話のためにSkypeを使うことにためらいはない。しかしビジュアルプロジェクタメーカーChristie Digital SystemsのグローバルITディレクターと
いう立場では、ChristieでSkypeをサポートしてほしいというエンドユーザーからの要望に抵抗してきた。AT&T、AMC Theaters、Pixar Animation Studios、Sony Pictures Studios、そし
てMicrosoftなどの大手を顧客に持つ同社のビデオ品質基準は極めて高い。

 「真剣に考えてほしいという要望は数えきれないほど来ていた。拒みたくはなかったが、ビジネス用にはCisco SystemsのWebExがあり、われわれはずっと前からWebEx(参考:強固な
セキュリティとモビリティを両立させるWeb会議システムの雄「WebEx」)を広範に使ってきた。(出張中に個人的に使いたいという)要望のためにWebExを放り出すことはできない。これはビジネスツールであり、『理解はできますが、(Skypeに)賭けることはできません』という立場だった」とクドシア氏は打ち明ける。

 結果として同氏は、ニーズに応えられる別のデスクトップビデオ会議製品を検討していた。しかしレガシー製品のMicrosoft Office Communications Server(OCS)をMicrosoft Lync Server
2010にアップグレードする準備をしていた矢先、MicrosoftとSkypeが合併するかもしれないとのニュースが流れ、クドシア氏のロードマップに待ったがかかった。

 「Skypeに対抗できるものを(検討していた)が、MicrosoftがSkypeをどうするか見極めたいと思い、当面は導入を見送ることにした。Microsoftの計画を見極めるために、まだ6~9カ月待つことはできる。Skypeは間違いなく真剣に考えるべき存在へと進化してきたと思う」

2011年5月27日金曜日

富士通の電子書籍ストアは「BooksV」

 富士通が5月にサービスインするとしている電子書籍ストアの名称が「BooksV(ブックスブイ)」であることが分かった。同社の製品情報/サポートサイト「FMWORLD」のサブドメインに同ストアの存在を確認できる。

 富士通は2011年3月、大日本印刷(DNP)と連携し、電子書籍ビジネスへの参入を発表していた。グループ会社である「ジー・サーチ」が運営する「G-Search ミッケ!」が持つビジネス分野の書籍・雑誌、白書なども加え、スタート時点で先行するほかの電子書籍ストアをしのぐ30万点以上のコンテンツラインアップで臨みたいとしている。

 ストアサイトはまだオープンしていないが、東京ビッグサイトで開かれている「ワイヤレスジャパン2011」の同社ブースでは、ストアやビューワが参考展示されている。

 ワイヤレスジャパン2011での同社ブースの様子。コンテンツがダウンロード型ということ、XMDF/PDFで販売されることなどが分かる。ブース説明員によると、一部のPDFコンテンツはDRMフリーであるという。

こちらは専用のリーダーアプリ。開始当初はPCでのみ利用可能。Android対応は2011年度上期を予定しているというが、iPhone/iPadへの対応は特に明言されていない

2011年5月26日木曜日

中国版ツイッター『ウェイボー』がもたらす正の面、負の面

 「ウェイボーには『私信(スーシン)』(プライベート・メッセージ)と言う機能がある。相互にフォローしている2人の間では、公開されない、秘密のメッセージを送りあうことができるだろ? これが携帯電話のショートメッセージの役割を完全に取って代わっている」

 「中国人はそもそもパソコンの電子メールを使いたがらない。そこを考えれば、ウェイボー私信がなぜコミュニケーションの主流になりつつあるのか容易に理解できる」

 なるほど、中国版ツイッターであるウェイボーには、TWITTERやFACEBOOKと同様の機能以外に、携帯電話のショートメッセージに相当する機能がある。さらに、日本におけるMIXIのように"身内"でグループを構成し、内部会議を開く機能も併せ持っている。すべて無料だ。

ウェイボーにかかわる4つの側面
 「一つは、ウェイボーは何も政治的議論をするためだけに存在するわけではないこと。欧米のツイッターだってそう。コミュニケーションにおいて、中国人民も『個』を確立することができる空間が広がってきた——という意味では、ポジティブな現象だと思います。人民がみな政治的動物に化してしまうことのほうが恐ろしい」

 「二つ目は、ウェイボーが登場したことで、共産党当局がいい感じで圧力を感じていること。先ほどJ先輩は著名人と追っかけの関係を膨らませましたが、ウェイボーでは社会的な議論、言論の自由や人権を追究する議論もかなりなされている。統治者と被統治者の間の力関係が、ウェイボーを通じて徐々に狭まってきていると言えるでしょう。ウェイボーはきっかけなんです」

 「第3に、Jさんが指摘し、後輩のB君が呼応したように、この国の将来を見つめ、引っ張っていく真のエリートたちがウェイボーのような一種の消費文化に流されてしまうことは危険だと思います。エリートもウェイボーの動向をキャッチアップする必要はありますが、適度な距離感を持ってつき合うことが不可欠でしょう。ウェイボーやフェースブックよりももっとクローズで濃密な、バーチャルではなくリアルな知的空間を、深化させていく努力が求められています」

 「最後に、世界経済あるいは国際政治という、より大きな視点に立って問題提起をさせてください。特にリーマンショック後、欧米式の資本主義が懐疑的をもって見られるようになりました。かといって、中国的な国家資本主義を世界が受け入れるには時間がかかりそうです。各国が新しいメカニズム・価値観を模索しているのが今日の国際政治の状況です。つまり過渡期にある。そんな中、経済リベラリズムが衰退し、文化ナショナリズムが台頭することによって、故サミュエル・ハンチントン氏が主張した『文明の衝突』がいよいよ本格化していくのでは、ということを懸念しています。以上です」

マイクロソフトにとってスカイプの買収は競合に対する防衛た

 「米マイクロソフト(MS)にとって過去最大の防衛的買収」。ネット事業で米グーグルの後塵を拝してきた同社によるインターネット電話大手スカイプ・テクノロジーズ(ルクセンブルク)の買収劇は一言でこう表現できる。

 スカイプは2010年時点で、1億7000万人のユーザーが音声通話やビデオ通話で年間2070億分以上を費やす巨大通信会社だ。マイクロソフトが同社を手に入れるために投じた額は85億ドル(約6900億円)。マイクロソフトにとって過去最大の買収案件となる。

 85億ドルという金額は、EC(電子商取引)を手がける米イーベイが2005年にスカイプを買収した26億ドルの3倍以上。ここまで跳ね上がった理由として、スカイプ本社広報は「スカイプの本質的な価値と、マイクロソフトの製品やサービスとの連携が持つ絶大な可能性を考慮したものと受け止めている」と説明する。

 とはいえ、高値づかみとの声も上がっているのも事実だ。スカイプの2010年の売上高は8億6000万ドル。営業利益は2億6400万ドルとなったものの、700万ドルの純損失を出した。7億ドル近い長期債務もある。

 それでもマイクロソフトが買収に踏み切ったのは、「スカイプが競合の手に渡る」という事態を何としても防ぎたかったからにほかならない。

 仮に、グーグルの手に落ちていれば、インターネット電話サービス「Google Voice(グーグルボイス)」が強化されたのは目に見えている。昨年末にスカイプと提携した米フェイスブックの手に渡っていても、6億人超いる会員の交流基盤はより強固なものになっていたはずだ。いずれにせよ、マイクロソフトにとっては、取り返しのつかない決定的なリードをライバルに奪われかねなかった。そんな中、うまく立ち回ったスカイプが最も得をした、というのが今回の買収劇の構図と言える。

WindowsでIPv6の基本を試してみよう

 IPv6の開発がはじまってからおよそ20年が経過し、IPv6が本格的に普及する兆しが見えてきた。IPv4アドレスの枯渇が始まり、いやおうなしにIPv6を使わざるを得ない状況が目前に迫ってきたからだ。
Windows Vista/7ならIPv6環境がすぐ使える
 まず、IPv6が利用可能になっていることを確認しよう。Windows 7およびWindows Vistaは、初期状態でIPv6が利用可能になっている。そのため、IPv6を故意に無効としない限りは問題なく使えるはずだが、念のため確認しておこう。

 Windows 7では、コントロールパネルの「ネットワークと共有センター」を開き、画面左側にある「アダプターの設定の変更」をクリックし、「ローカルエリア接続」をダブルクリックする。すると表示される「ローカルエリア接続の状態」ダイアログで「プロパティ」を選ぶ。これで表示される画面で、画面1のように「インターネット プロトコル バージョン6(TCP/IPv6)」の行にチェックが入っていればIPv6は有効になっている。
 また、Windows Vistaであれば、「ネットワークと共有センター」から「ローカルエリア接続の状態」欄の「状態の表示」をクリックすると「ローカルエリア接続の状態」が表示されるので、プロパティをクリックする。そして、Windows 7の場合と同様に「インターネット プロトコル バージョン6(TCP/IPv6)」の行にチェックが入っていればよい。

 一方、Windows XPは初期状態でIPv6がインストールされていない。そのため、以下の手順でインストールする必要がある。
 スタートメニューからコントロールパネルを開き、「ネットワーク接続」→「ローカルエリア接続」を進む。「ローカルエリア接続のプロパティ」が開いたら、「インストール」→「プロトコル」→「Microsoft TCP/IP version 6」を選択して「OK」をクリック。あとは、画面の指示に従い、PCを再起動すれば完了だ。
 IPv4と異なり、IPv6はインストールするだけでアドレスなどが自動設定される。プラグ&プレイが相当なレベルで実現されているのだ。TCP/IPの設定状態を調べるには、コマンドプロンプトで「ipconfig」コマンドを利用する。

 Windows 7のIPv6では、この「イーサネット アダプタ ローカル エリア接続:」のほかに、いくつかの「Tunnel adapter ……」というブロックが表示される。これはIPv4とIPv6の共存のために使用する仮想インターフェイスの情報だ。Windows 7でIPv6を有効にすると、物理的なNICが1つしかなくても、複数の論理的なインターフェイスが自動的に構成される。

 さて、リンクローカルIPv6アドレスとして表示される値は、IPv6アドレス+"%"インターフェイスインデックス(NICの識別番号)となる。リンクローカルIPv6アドレスは、PCのすべてのNICに自動的に設定されるため、このようにインターフェイスインデックスと一緒に表記することになっている。ここでは、"fe80::4163:ee0e:40ff:8b23"がIPv6アドレスで、"11"が該当するNICのインターフェイスインデックスだ。

IPv6アドレスの表記法
 IPv6のアドレスの長さは、128ビットである。これを16ビットずつ8つに分割し、それぞれを16進数(4桁)で表記し、区切りにコロン(:)を入れて並べた形式で表記する。たとえば、手元のPCのリンクローカルIPv6アドレスの正式な表記は、
fe80:0000:0000:0000:4163:ee0e:40ff:8b23
である。
 しかし、これでは長すぎるので、以下の方法により表記を短縮できる。
 まず、コロン(:)で挟まれた4桁の16進数は、前置き(左側)の0を省略する。"0101"であれば"101"といった具合だ。また、4桁すべてが0の場合は、1つの0となる。つまり、"0000"は"0"となる。すると、上のアドレスは
fe80:0:0:0:4163:ee0e:40ff:8b23
になる。
 さらに、"0:0:0"のように0が続く部分は、アドレス全体で1カ所だけだが"::"と省略できる。これで、
fe80::4163:ee0e:40ff:8b23
と短くなった。この表記は、ipconfigコマンドの出力結果と一致する。PCやルーターなどの機器の設定を行なう際には、この形式がもっともよく用いられる。

IPv6アドレスの構造
 IPv6アドレスには、図2のように「ネットワークプレフィックス」と「インターフェイス識別子(ID)」の2つの要素がある。
 プレフィックスはIPv4のネットワークアドレスに相当し、以下のように表記する。

プレフィックス値/プレフィックス長
 よって、「アドレス"fe80::4163:ee0e:40ff:8b23"のネットワークプレフィクスは"fe80::/64"」のように表現する。通常、プレフィックス長は64ビットである。

インターフェイスIDには、
EUI-64(Extended Unique Identifier-64)という変換規則により、NICのMACアドレスから機械的に生成される値
乱数によりランダムに生成された値
の2つが使われる。初期のIPv6の実装ではEUI-64が多く、Windows XP、Mac OS XのIPv6はEUI-64を使っている。

 ここではWindows XP SP2 の例を先に示そう。NICのMACアドレス情報まで表示させるには、「ipconfig」コマンドに「/all」というオプションを付けて実行する。注目してほしいのは、画面3の部分である。6オクテットのMACアドレス(Physical Address)のうち、2オクテット目から6オクテット目までが、インターフェイスID(IPv6アドレスの下位8オクテット)に含まれていることがわかるだろう。

 しかしながら、EUI-64で生成されるインターフェイスIDを使うと、IPv6をアドレスを見ただけでコンピュータのMACアドレスを特定できてしまうので、インターネット上ではセキュリティ上の問題が生じる。そこで、Vista以降ではEUI-64により値を生成するのをやめ、ランダムな値を使うようになった。Windows 7で「ipconfig /all」を実行してみよう。

 MACアドレス(物理アドレス)の"00-16-36-F7-73-D2"から、インターフェイスIDをEUI-64で生成すると"0216:36ff:fef7:73d2"になる。しかし、画面4のリンクローカルIPv6アドレスのインターフェイスIDは、まったく異なる値になっている。これは、Windows Vistaで実行しても、同様の結果だ。Windows Vista以降のWindowsでは、このように、リンクローカルIPv6アドレスのインターフェイスIDから、MACアドレス(物理アドレス)を推測できないようになっている。

IPv6のアドレス
 IPv4には多くの種類のアドレスがあるが、そのうち重要なのはグローバルアドレスとプライベートアドレスの2種類である。同様に、IPv6も多くの種類のアドレスがあり、そのうち重要なのは以下の3種類のアドレスだ。これだけは絶対に覚えておこう。

1.グローバルアドレス
 インターネット上では、IPv4と同じくインターネット内で一意の(重複しない)グローバルアドレスを利用する。グローバルアドレスの構造は、IPv6アドレスの配布状況や技術動向に応じて修正される。現時点で実際に配布されるグローバルアドレスは、上位3ビットが「001」固定、次の61〜45ビットがグローバルルーティングプレフィックス、その次の16〜0ビットがサブネットID、下位64ビットがインターフェイス識別子である。

2.ユニークローカルアドレス
 ユニークローカルアドレスはIPv4のプライベートアドレスに相当し、組織内で閉じたイントラネットなどで利用する。以前はサイトローカルアドレスがこの目的で使われていたが、さまざまな問題が生じたため、RFC4193でユニークローカルユニキャストアドレスに置き換えられた。ユニークローカルアドレスの上位7ビットは"1111110"で、アドレスの範囲は"fc00::/7"である。ただし、8桁目が"0"のアドレスの使用が禁止されているため、現時点でイントラネットで実際に使えるアドレスの範囲は"fd00::/8"に限られる。
 ユニークローカルアドレスは、インターネットとの接続は想定していない。しかし、40ビットのGlobal IDは重複しないよう乱数により決定する。これにより、企業の合併や統合により複数のネットワークが接続された場合でも、アドレスを付け直さなくて済む。

3.リンクローカルアドレス
 IPv6では、Ethernetのブロードキャストの到達範囲(ブロードキャストドメイン)を「リンク」と呼ぶ。リンクローカルアドレスは、ノードの起動時にインターフェイスに自動的に割り当てられるアドレスで、グローバルアドレスなどの設定を自動化するために用いられる。
 リンクローカルアドレスは、リンク内では一意性が保証されるが、ルーターを超える通信では使用できない。アドレスの形式は、上位10ビットが"1111111010"、次の54ビットがすべて0、そして下位64ビットがインターフェイス識別子である。
 インターフェイス識別子は、ノードの起動時やインターフェイスを有効にした際に例外なく自動設定され、手動で設定することはできない。リンクローカルアドレスは"fe80::インターフェイス識別子"と表記でき、プレフィクスは"fe80::/64"である。

本格的なクラウドアプリケーションはまだ少ない

 企業システムにおいてクラウドを即戦力として使うことを考えると、アプリケーションをクラウド型で提供するSaaS(Software as a Service)に注目すべきなのではないだろうか。ところが、クラウドEXPOで展示されているものの大半は、IaaS(Infrastructure as a Service)関連ないし周辺ソリューションであり、SaaSは展示自体が少ないように見受けられた。展示されていたSaaSやアプリケーションの多くも、内情を取材してみると次のいずれかであるようだ。

(1)通常はアプリケーションをオンプレミス型で提供しているが(ライセンス販売)、クラウドに乗せることも可能とするもの
(2)アプリケーションをSaaSで提供しているが、ユーザーは中堅・中小企業に限定しており、大企業向けにはオンプレミスで導入することを前提としているもの
(3)どのような企業規模でもクラウドで利用できるアプリケーションだが、中核業務をカバーするものではないもの(メールやポータル、社内コミュニティー管理など)

2012年度以降はエンタープライズの中核業務用アプリケーションを展示するベンダーが増えてくることは予想に難くなく、クラウドで得られるユーザー企業の利便性はますます高まると推察される。

中国・漢王の電子書籍端末に日本のコンテンツ配信進む

中国の電子書籍端末市場で高いシェアを持つ漢王科技の電子書籍端末に、ハーレクインコミック20タイトルの配信が開始された。
 中国の電子書籍端末市場で高いシェアを持つ漢王科技(Hanvon Technology)に対して、日本のコンテンツ配信が進められている。
 同社端末に向けた日本のコンテンツ配信は、クリーク・アンド・リバーが窓口となって2011年3月ころから進められている。すでに約30タイトルのコミックが漢王科技が運営する電子書籍販売サイト「漢王書城」で販売されているが、ハーレクインのロマンス小説を原作としたハーレクインコミック20タイトルが加わったことが5月23日にクリーク・アンド・リバーから発表された。
 漢王書城で販売されるハーレクインコミックは、ソフトバンク クリエイティブが翻訳した中国語(簡体字)版。ダウンロード型の販売方法で、1ダウンロード当たり15元(200円程度)で販売されるという。

2011年5月25日水曜日

Office 365の料金体系をめぐるIT管理者の不信感

  米Microsoftは4月18日にOffice 365の初のパブリックβを公開し、同製品のリリースに向けてわずかに前進した。しかし、オンプレミスおよびホステッドアプリケーションからSaaS(Software as a Service)およびOfficeのクラウド向けバージョンへの移行を同社がどのようにサポートしていくのか、さらに詳しい情報が提供されない限り、ITベンダーがOffice 365を適切に評価することは難しい。
 
IT管理者を不安にさせているのはOffice 365への移行だけではない。Microsoftはその他の主要なサーバ製品をSaaSおよびクラウドコンピューティングプラットフォームに移行することも計画しているが、これも不安要素となっている。クラウドベースのプログラムのみを提供する、小回りのきく競合からの圧力が強まっていることを考えると、Microsoftには失敗が許される余地は少ないと思われる。
 
「クラウドのオプション(プラン)を見ているが、ERP製品などに関してMicrosoftがこれまでしてきたことは、中途半端なように思える」と米大手小売業者のITディレクターは話す。「既存のインフラストラクチャからMicrosoftがOffice 365とWindows Azureによって語っているものへとどのように移行するか、全体像が見えない」
 
Microsoftは過去に、主要なアプリケーションやOSプラットフォーム間でのスムーズなシフトに失敗した際に大きなダメージを被らずにやり過ごしてきた。しかし、「サービスの時代」にそのような間違いを犯せばただでは済まないだろう。
 
「(Microsoftは)Windows XPからVistaへの移行など、移行に失敗しても大きな痛手を負わずに来た。しかし、オンラインの世界ではそのような間違いは許されない」と米Inter-Arbor Solutionsの主席アナリスト、ダナ・ガードナー氏は指摘する。「(Microsoftは)この移行を、手間、コスト、技術の面で落ち度なくこなす必要があるが、まだそれができていない」
 
ガードナー氏や他のアナリストは、Microsoftがこの新時代へのシフトに失敗すれば、米Googleや米salesforce.comなどの競合は、元からSaaS向けに開発されている各社の既存のコア製品に、メッセージングやカレンダー、コラボレーションなどのコモディティ機能を悠々と追加していくだろうと話す。
 
「Microsoft製品のほとんどのアーキテクチャは、SaaSやマルチテナント向けではない。また、サービス指向アーキテクチャのような複数のサービスを配置できる共通のコードベースもない」とガードナー氏は指摘する。
 
米コンサルティング会社のDirections on Microsoftでサーバアプリケーションリサーチ担当副社長を務めるウェス・ミラー氏は、技術的なロードマップの有無にかかわらず、これはかなり骨の折れる移行になる可能性を示唆している。Exchangeだけを考えても、現在のほとんどのビジネスで「心臓」の役割を担う影響の大きい製品だ。
 
「クラウド間の移行であれ、オンプレミスからクラウドへの移行であれ、データセンターをクラウドに移すのであれ、組織が大きくなればなるほど、ExchangeやSharePointなどのコア製品の移行計画は重要だ。しかし、MicrosoftはBPOSから学んだことなど、幾つかのベストプラクティスがあるだけで、現在は移行の初歩的な手引きを整えている段階だ」とミラー氏は説明する。
 
Officeのライセンス料が二重払いに?
 
エンタープライズITベンダーに進言する立場のITプロやアナリストは、Office 365の多様なライセンスオプションについて、より明確な説明が必要だと話す。Microsoftは2011年の初めに、Office 365のライセンスオプションを発表した(下表)。しかし、4種類のオプションのうちの2種類でOffice Pro Plusがスタンダードコンポーネントとして提供されていることから、Officeのエンタープライズライセンスを既に保有しているIT管理者は、Officeのライセンス料を二重に支払うことになるのではないかと危惧している。
 
Office 365のプランEファミリー
プラン名 1ユーザー当たりの月額料金 主な機能
E1 1000円 IMおよびプレゼンス、会議、SharePointサイトによるコラボレーション、電子メール、カレンダー、アンチウイルス/アンチスパム、個人用アーカイブ
E2 1600円 E1の機能+Webアプリケーション
E3 2540円 E2の機能+Office Pro Plus、ボイスメールおよび高度なアーカイブ機能、Access、Excel、Visioサービス
E4 2860円 E3の機能+PBXの代替となるボイス機能

訳注:日本での月額料金は、Office365のプランを参照

 
「Pro Plusのライセンス料を払う必要があるのなら、(Office 365の)E3オプションを私が支持する可能性はほとんどない。また、ローエンドの2つのオプションには、特に魅力を感じない」と前出の小売企業のITディレクターは話す。
 
E3を選んだ場合、月額料金の割引があるかどうかをMicrosoftの広報担当者に尋ねたところ、この担当者自身は、上位の2オプションでOffice Pro Plusを必要としない既存のOfficeデスクトップユーザーに割引が適用されるプランの存在は認識していないという回答だった。
 
しかし、E3を選択した場合、小売り版なら499ドルするOfficeの最上位バージョンを月々24ドルで使用できる。
 
Office 365の最初のパブリックβでは、2種類のプログラムが発表された。1つは25ユーザーまでの小規模企業向けで、もう1つは中堅および大規模企業向けのプログラムだ。
 
小規模企業向けのβプログラムでは、Office Web Apps、Exchange Online、SharePoint Online、Lync Online、外部Webサイトを利用できる。一方、中堅および大規模企業向けのプログラムには、電子メール、ボイスメール、エンタープライズ向けソーシャルネットワーキング、音声およびビデオ会議機能、Webポータル、Office Professional Plusのサブスクリプション版が含まれる。
 
また、この2種類のβプログラムと併せて、Office 365 MarketPlaceも発表された。Office 365 MarketPlaceでは、100種類のアプリケーションと400のプロフェッショナルサービスが提供され、Office 365のカスタマイズに活用できる。
 
今回のパブリックβには目立った追加機能はなく、主に、Office 365全体の操作性、処理速度、パフォーマンスの向上に注力されている。
 
Microsoftによると、このβ1に登録したユーザーの70%強は小規模企業であり、さらに規模の大きい企業が残りの30%を占めるという。ただし、パブリックβの参加対象が拡大され、年末に予定されている最終リリースに近づくにつれて、この割合は変化していくと一部のアナリストは見ている。
 
「現時点では、Office 365に最も魅力を感じるのは、思い切ってクラウドへの移行に舵を切ることができる小規模企業や中堅企業だ。しかし、大規模企業では、パイロットプロジェクトや複雑な環境でのテスト、展開など、検討すべきことが多い。大規模企業こそMicrosoftが移行を望む相手だが、現時点でクラウドに乗り出すのは規模の小さい企業になる」とミラー氏は話す。
 

もうけのコツを考える

 もうけを最大化するためには、数字と合理的に付き合う術が必要である。この言葉に反論する人はおそらくいないだろうが、「合理的に付き合う」とはどういうことかと問われると、言葉に詰まってしまわないだろうか?
ビジネスにおいて数字と合理的に付き合う注意点として、以下の5つのポイントを挙げている。
・ 埋没費用の損切り
・制約条件下での最適解
・売れ残りの影響
・需要と供給の比較
・限界利益と損益分岐

“失敗”しないTwitterの使い方

ソーシャルメディアは「ソーシャル・ネットワークで結ばれた人同士の間に時間をかけて育まれる信頼。あるいは尊敬。あるいは評価」の増加・蓄積が重要だこと、今となっては肌感覚として理解できよう。よって、「企業が資金力にモノを言わせてソーシャル・ネットワークを牛耳ろうとすれば、かえって企業ブランドを低下させてしまう」ということも"常識"として受け止められる。

 特にTwitterについては、「ただ一人の顧客を想定する」という指摘をあらためて肝に銘じておきたい。ソーシャルメディアで大切なのは、「時間をかけて育まれる信頼。あるいは尊敬。あるいは評価」の獲得である。よって、グループセグメントの考え方で、不特定多数に向けて最大公約数的なメッセージを投げ掛けてもうまくはいかない。企業がTwitterを使う場合も、「心地よく実り多い対話」ができるよう、「実在する顧客」に向けて、同じ一人の人間として対等な視点で語り掛けることが大切であり、そうすることで初めて信頼の輪は広がって行くのだ。

 また一方で、「信頼。あるいは尊敬。あるいは評価」が大切という指摘は、「ソーシャル・ネットワーク上でやってはいけないこと」に対する注意も喚起してくれる。

2011年5月24日火曜日

Windows 8は2012年にリリースへ——バルマー氏が明言

 米国MicrosoftのWindows OSの次期バージョン「Windows 8」は、2012年にリリースされる。同社CEOのスティーブ・バルマー(Steve Ballmer)氏が5月23日に明らかにした。
 バルマー氏は、東京で開催されたソフトウェア開発者向けカンファレンス「Microsoft Developer Forum 2011」の講演の中で、次期OSのリリース予定に言及した。観測筋は、次期Windows OSの登場は「来年」と予想していたが、同社が登場時期を「2012年」と正式に認めたのは今回が初めて。
 MicrosoftのWebサイトで公開されている講演録(Steve Ballmer:Microsoft Developer Forum)によると、バルマー氏は開発者にこう語ったとされている。「次世代Windowsシステムに関して言えば、来年登場し、さらに大きな進化を遂げるだろう」
 さらに、バルマー氏は、こう付け加えている。「今年を通じてわれわれの作業が進み、Windows 8について多くの話題が聞かれるようになるはずだ。Windows 8スレート、タブレット、PC。さまざまなフォーム・ファクタのデバイスが登場する」
 Microsoftが公式の場で次期Windows OSを「Windows 8」と呼んだのも今回が初めてだ。
 Windows 8が2012年にリリースされれば、2009年7月にリリースされたWindows 7から約3年でのアップグレードとなる。Microsoftは、Windows 7の今年の販売数を3億5,000万本以上と見込んでいる。同社はこれまで、OSの新バージョンで売り上げ拡大に弾みをつけてきた。
 Windows 8は、ユーザーインターフェース(UI)が一新され、低消費電力のARMプロセッサもサポートする。MicrosoftはARMサポートにより、新しいタブレット・コンピューティング市場での巻き返しを期している。
 Windows 8については、米国カリフォルニア州ランチョ・パロス・バーデスで来週開催される「D: All Things Digital」カンファレンスで詳しい情報が紹介される可能性がある。同カンファレンスでは、MicrosoftのWindows部門担当プレジデン ト、スティーブン・シノフスキー(Steven Sinofsky)氏が講演することになっている。

Pandora FMSとは

Pandora FMSは、世界144カ国から22万ダウンロード以上(2005年以降)の支持を得る、スペイン発のオープンソースの監視ツールです。

 

システム監視ツールというと、日本では nagios ZABBIX 等が有名です。Pandora FMS は現時点では日本での認知度は高くないものの、直観的で操作性に優れたインターフェイスと機能面の使いやすさで非常に優れたツールです。

 

Pandora FMS プロジェクトは、金融グローバル企業のIT部門の開発プロジェクトから始りました。2004年にオープンソースとして公開されて以来、6年以上に渡り安定的なバージョンアップが行われています。

 

20103月以降日本語化が進み、特にバージョン3.1以降では日本語環境において何ら問題のない、日本人にとっても使い勝手の良い監視ツールのひとつとなっています。既存の監視システムのリプレースや監視システムの新規導入時には、比較検討いただくと良いでしょう。

 

Pandora FMSの特長

直感的なユーザインタフェース(すべての操作をウェブコンソールで実施可能)

専用エージェント (Linux, Windows) による、モニタ対象システム自体でのデータ収集

専用エージェントを使わない、snmp やその他スクリプト等でのエージェントレスの監視も可能

アラートのメール通知や、障害検知時に任意のコマンドの実行を定義できる柔軟なアクション設定

リアルタイムでのレポートとグラフ生成

承諾機能を持った、イベント管理機能

インシデント管理機能を標準搭載

ユーザ管理機能(監視設定変更可能ユーザや、参照のみのユーザ等、権限の違うユーザを作成可能)

オープンストリートマップや、Googleマップと連携する GIS マップ機能 (バージョン 3.1 以上)

ウェブコンソール (オンラインヘルプ含む) の完全日本語対応 (監視対象ノードの説明や、アラートの定義など、すべての場面において日本語の入力が可能)

携帯(スマートフォン)対応コンソール (バージョン 3.2 以上)

 

PandoraFMSOSS)コミュニティ

[英語]

http://pandorafms.org/index.php?sec=project&sec2=noticias&lng=en

[日本語]

http://pandorafms.org/index.php?lang=jp

 

PandoraFMS Enterprise

[英語]

http://pandorafms.com/